「100年に一度」と言われる世界同時不況を踏まえ、自民党は国内市場の株価が急落することの備えとして、公的資金で市場のETFや株式等の買取を行う仕組みを整備することを決定しました。
国と銀行業界が作った「銀行等保有株式取得機構」の買取を対象に、銀行が保有するETFや銀行発行の優先株などを追加するなど、中堅・大企業への融資枠を拡大するため、日本政策投資銀行に対する追加出資と完全民営化の延期検討なども盛り込まれているようです。
しかし、株式やETFの買取については政府による事実上の株価操作につながるのではないかという批判もあります。
そのため政府は「株価は市場の自由な相場形成に委ねるのが当然」という原則の下、制度を進めていく方針です。
株価急落が与える日本経済への悪影響に配慮しながら厳格に実施条件を法律で定めた上で、政府が株価を支える制度を整えます。
また、与謝野馨財務・金融・経済担当相はこうした取り組みに対し「日本経済に壊滅的な影響を与える時に発動するものであって、終始発動するものではない」とも指摘しています。
国の株価対策において検討されている「ETFの買取策」ですが、買取には政府も資金が必要となります。
その資金源として、「ETF転換権つき政府保証債券」といった面白い案も検討されているようです。
この債券には利息はつきませんが元本を政府が保証し、ETFが値上がりすれば債券をETFに転換し、市場で売れば「値上がり益」を受け取ることができるというものです。
投資信託や株式は「元本保証のない」リスク資産ですが、実施されればこうした価格変動リスクを政府が保証するというありがたい策となりそうです。
このような株価対策は、金融市場安定化策を検討している自民党の「国債金融危機対応プロジェクトチーム(PT)」によって推進されています。
しかし、焦点のETFの買取については「極めて難しい問題だ」と慎重な考えも示しています。
それは4・5月の企業決算の状況次第では再び不安定な状況が懸念される現状もあります。
こうした状況に対し、柳沢氏も4・5月の企業の決算の状況次第で懸念される金融の跳ね返りを踏まえた上で、対応策について「できるだけ早期にとりまとめたい」との方針を明らかにしています。